Pulsatile saphenous vein

Full text

(1)
(2)

圧を 2 例で測定し,他部位の静脈より明らかな高値を 確認した.心臓超音波を 4 例に施行し,軽症の三尖弁 閉鎖不全を 2 例に,拡張型心筋症を 1 例に認めた.炎 症を生じた原因疾患として,蜂窩織炎が 2 肢に,痛風 発作が 1 肢にみられた.今回の症例の中には外傷症例 および深部静脈血栓後遺症の症例は認められなかっ た.また,lipodermatosclerosis の症例の中で下腿の不 全穿通枝が主とした原因になっている例も認められな かった.  治療としては,痛風の 1 例を除いて全例で弾性包帯 または弾性ストッキングによる圧迫療法を行い,静脈 瘤症例では,硬化療法を 2 肢,大伏在静脈の血管内 レーザー(EVLA)を 4 肢に追加した.蜂窩織炎に伴う 例では抗生物質の投与,痛風発作に対しては非ステロ イド性の消炎鎮痛剤を用いた.予後としては,治癒 1 肢,軽快 8 肢,不変 9 肢であった(Table 1).

Fig. 1 Duplex scanning was the first

step for the examination of patients with edema. Impression by socks were shown at the both ankles as an evidence of typical edema.

Table 1 The clinical feature of the patients with pulsatile saphenous veins

Age Sex Side Symptom Varices DM CTA UCG Cause Main therapy Compression Course

75 F Bi edema + − + TR (−) sclerotherapy + improve

76 F Rt redness, edema + − + EVLA + improve

60 M Bi ulcer, edema + − − EVLA + improve

75 F Lt edema + − + EVLA + improve

66 F Lt redness, pain, edema − − gout NSAIDs vanished

84 F Bi LDS, edema − − DCM + no change

52 F Bi LDS, edema − − TR (−) + no change

74 M Lt redness, edema + + + EVLA + no change 63 M Lt redness, pain,edema + − cellulitis antibiotica + improve

82 F Bi redness, edema − − TR + no change

61 F Bi edema − + + no change

(3)

 症例1:75 歳,女性  主 訴:両下肢浮腫  経 過:10 年前に両下肢静脈瘤に対して両大伏在静 脈のストリッピング術を行い,経過良好であったが, 1年くらい前から両下腿の浮腫を自覚するようにな り,近医から紹介を受けて当院受診となった.超音波 ドプラにて両下肢の下腿に残存した大伏在静脈に拍動 波を検出した(Fig. 2).動静脈瘻を疑い動静脈ガス分 析を行ったところ,肘静脈では PaO2 34.5 mmHgで あったのに対して左大伏在静脈では 56.2 mmHg と上 昇していた(Table 2).造影 CT では動脈相で豊富な 静脈床が描出されたが,特定部位の動静脈瘻は同定 できなかった(Fig. 3).また,UCG で三尖弁閉鎖不全 や心不全徴候を認めなかった.弾性ストッキングに よる圧迫療法を指示し症状は緩和している.1 年以上 経過した現在も弾性ストッキングの着用により症状 が軽減するため圧迫療法を継続している.現在も同 様に拍動波を検出するも自覚症状はなく,コント ロールされている.  症例 2:52 歳,女性  主 訴:両下肢の倦怠感  既往歴:子宮・卵巣摘出術  現病歴:両下肢に硬結を伴う色素沈着を認め,近医 Fig. 2 The pulsatile wave was detected on saphenous vein.

Table 2 Blood examination of the typical case 1

Part PO2 (mmHg) SpO2 (%) PCO2 (mmHg)

femoral artery 78.8 98.9 43.1 saphenous vein 56.2 90 44.7 forearm vein 34.5 66.5 49.5

(4)

で経過をみていたが,平成 23 年 7 月,引越しを機に 当院に紹介されて来院.両側の大伏在静脈に拍動性波 形を認めた(Fig. 4)が逆流は認めなかった.心エコー で右心負荷,三尖弁の逆流などの所見は認めなかっ た.弾性ストッキングを着用した状態で VFI を測定 す る と,VFI は 右 3.4 ml/sec か ら 1.9 ml/sec に, 左 2.8 ml/secから 1.5 ml/sec に低下することを確認して弾 性ストッキングの着用を指示した.現在も病状の悪化 は認めず経過観察を行っている.  症例 3:76 歳,女性  主 訴:2 年前に左下肢の静脈瘤手術  平成 23 年 7 月頃から右下肢に硬結を伴う色素沈着 を認め,痛み・発赤がみられる(Fig. 5A).VV 87.4 ml, Fig. 5

A: Redness and swelling were shown at the right leg. B: The inflammation signs were vanished at 1 year later.

A B

Fig. 6

A: The right deep vein flow was seen at early phase. B: The arterial flow was symmetric at 1 year later.

A B

Fig. 4 The pulsatile waves were detected on both saphenous veins.

(5)

位を推定し,拡大鏡を用いて術中に AV シャントを確 認した記録を報告し,多くの下肢静脈瘤で AV シャン トが確認できたと述べている.本田ら4)は,重症皮膚 病変を伴った下肢微小動静脈瘻に対して,血管造影で 確認して coil 塞栓術および結紮切離術を行った症例を 報告している.しかし,われわれは CT 造影などで, 微細な AV シャントの部位を同定することは困難で あった.  AV シャントが開大している症例は,浮腫を伴い皮 膚病変を伴うものが多く,原因不明の下肢重症皮膚病 変を認めた場合には鑑別診断の 1 つとして微小動静脈 瘻を念頭におくべきとされている.糖尿病性潰瘍を論 じる場合も,AV シャントの開大は重要なテーマであ り,毛細血管に到達せずに AV シャントを通る血流が 増える結果,皮膚血流の低下が起こる.血流が豊富で 皮膚音は高いのに皮膚表面では虚血に陥るいわゆる hot gangrene はこのように説明されており,AV シャン トと皮膚病変は密接な関係があるようである.  一方,従来から「静脈瘤の成因」としても AV シャン トの存在が挙げられている5, 6).下肢静脈瘤に伴う AV シャントは,1949 年 Pratt7)が報告した.Pratt は 272 例 の下肢静脈瘤のうち 24%に AV シャントが認めら れ,再発例の 50%にみられると報告した.Haimovici8) は 1987 年の論文の中で,下腿の多くの場所で動脈波 形がみられることから,静脈瘤の発生が下腿から上方 に進展する場合があるのではないかと推論している. 現在では下肢静脈瘤は,sapheno-femoral junction(SFJ) の弁不全から下行性に発展していくものと,下腿の穿 通枝などから上行性に進展していくものがあると考え られているが,下腿から発生するものの中には下腿以 下の AV シャントから発展していく場合があるのかも しれない. 出は,下肢静脈瘤を形成していない症例でも日常的に 経験されることではないかと思われる.

 超音波検査で pulsatile saphenous vein を見つけるに は,すぐに下腿筋のミルキングをしないで伏在静脈を 少し観察する必要がある.このときカラードプラで観 察すると拍動がわかりやすい.漫然とミルキングをし て逆流を調べようとすると,順流成分が多いため逆流 が相殺され,弁不全があったとしても逆流が描出でき ない恐れもあるので注意が必要である.浮腫に特徴的 な皮下組織の敷石状エコーに緊満状態である伏在静脈 をみた場合,まず拍動波を描出する疑いを抱くのが最 初の手がかりである.

(6)

extremity. Ann Surg 1966; 164: 990–1002

2) Kimura T, Yoshizaki S, Matsumoto S: Arteriovenous com-munication in patients with primary varicose veins: an investigation using thermography, blood oxygen tension, and operative microscopy. Vasc Surg 1991; 25: 460–466 3) Schalin L: Arteriovenous communications in varicose

veins localized by thermography and identified by opera-tive microscopy. Acta Chir Scand 1981; 147: 409–420 4) 本田賢太朗,駒井宏好,重里政信:重症皮膚病変

を伴った下肢微小動静脈瘻.脈管学 2006; 46: 73–78 5) Gius JA: Arteriovenous anastomoses and varicose veins.

Jpn J Phlebol 2014; 25 (3): 340–345

77: 456–460

8) Haimovici H: Role of precapillary arteriovenous shunting in the pathogenesis of varicose veins and its therapeutic implications. Surgery 1987; 101: 515–522 9) 佐野 真,木村忠広,花井厳人,他:一次性静脈 瘤における Arteriovenous communications の臨床的意 義─ thermography, 血液酸素分圧の検討─.日臨生 理会誌 1991; 21: 35–38 10) 平井正文,小谷野憲一,阪口周吉.V 疾患各論− A 一次性静脈瘤, 臨床静脈学,阪口周吉編,東京, 1993,中山書店,pp. 141–153 Abstract

The clinical Features of the Patients with Palsatile Saphenous Veins

Satoru Sugiyama, Susumu Matsubara,Yoshio Miyade, and Yasuhiko Inaki The Department of Surgery, Hiroshima Teishin Hospital

Key words: arteriovenous communications, arteriovenous anastomosis, arteriovenous shunting, compression therapy, varicose veins

Figure

Updating...

References

Updating...

Related subjects :